
今日は、なぜ私がこの道を志したのか、そのきっかけをお話ししようと思います。
幼い頃、私はテレビが大好きで、特におじいちゃんと一緒に観る**「水戸黄門」が楽しみでした。悪者が罪のない人を気絶させたりするシーンがあると、どこからともなく忍者の「弥七」**が現れ、「エイッ!」と喝を入れる。すると倒れていた人が目を覚ます。
また、漫画では、ギックリ腰の人が謎の治療家にチョコチョコっと技をかけられると、すぐに治ってしまう。
そんなシーンを何度も目にしていた私は、**「これは現実でも普通にあることなんだ」**と、本気で思っていました。
本当にそんな世界があった
実際、私の祖母が捻挫をしたり、腰が痛くなったりすると、近所の鍼灸師**「さっちゃん」**がすぐに往診に駆けつけてくれました。施術が終わると、祖母は「楽になったよ」と笑顔に。
私自身も、ドッジボールで突き指をして指がパンパンに腫れた時、鍼で悪い血を抜いてもらうと(※現在は安全面の理由で行われていません)、翌日にはまたドッジボールができるようになっていました。
そんな経験が積み重なり、私は「人の痛みをすぐに取り除く人」に憧れるようになりました。
現実とのギャップと衝撃の出会い
中学生の頃、BMX(自転車のモトクロス競技)のジャンプに失敗して足を捻挫し、整形外科に通いました。しかし、出されたのは湿布と痛み止めだけ。半年経っても痛みは引かず、思うように動けない日々が続きました。
そんな時、近所で評判の接骨院に行ってみると、先生が私の足を「クイッ、クイッ」と動かしながら施術を開始。すると、半年間よくならなかった足首が… 「あれ?なんかいい感じになってる!
その瞬間、私は確信しました。
この先生こそ、弥七や漫画の治療家みたいな人だ!
そして、高校で進路を決める時、自分が憧れていたのは、まさにこういう人だと気づいたのです。
目指したのは、“駆けつける治療家”
「水戸黄門の弥七のように、困っている人のもとにすぐ駆けつけ、チョコチョコっと技を駆使して問題を解決する。」
そんな存在になりたくて、この道を選びました。
そして40年——。
その気持ちは今も変わりません。
「鍼灸明勝堂」は、困っている人のもとに駆けつけ、さっと施術し、颯爽と立ち去る。
そんな鍼灸院を目指し、日々精進しています。
今までたくさんのご縁をいただき、多くの方に助けられて、今の自分があります。だからこそ、これからの人生は恩返し、恩送りの気持ちを持ち、精一杯努めていこうと思います。